散歩に行って、いつものようにメル達は走り回ってじゃれていた。
メル母さんはいい加減に運動すると、ゆっくり散歩を楽しみますが、いつまでも子どものようなマグはユメカナを走ったり、ジャンプしたりかなりハードに遊んでいた。
散歩帰り、スタスタ歩くメル、ユメ、カナ。犬ぞりのように3匹が歩く。
少し遅れてマグ。運動しすぎて疲れているのかな?と思っていた。立ち止まって、ウンチをするマグ。お尻拭いてあげよう(マグはフン切れが悪いのだ)と思ったら、
「キャンッ!!」とマグの悲鳴。
「ごめん。マグちゃん」
少しきつく拭き過ぎたのかと思いマグを離すと、右の前足を曲げたままだった。
「!? 手、どうしたん??」
少し歩かせてみたが、チンバ(=ビッコ)を引いて歩いていた。すぐにマグの前足を調べてみた。折れてはいないようだし、触っても痛がらないので歩かせるがチンバを引いて歩くのだ。
抱っこして連れて帰って、家の中で歩かせてみた。やっぱりおかしい。チンバを引くわ、散歩の後なのに、お水も飲まずに部屋の端っこに縮こまり、しきりに右手を舐めている。
「手、見せてみ」と母がマグに声をかけると、
マグは右手を曲げたままだ。歩くけどもチンバを引いていた。
母と病院へ直行しました。マグを抱っこして連れていく時、メル、ユメ、カナは階段を降りて玄関までついてきた。いつもと様子が違うのが分かるようで、
「クゥーン クゥーン」とメル。ユメカナも「クンクン」言っていた。
「すぐ帰ってくるから留守番しといて」と言って病院へ向かった。
病院につくと、マグはブルブル震えていた。診察代に乗せられてビクビクしていた。
「痛いことしないでね」と尻尾を振るが、情けない顔をしていた。
先生が右足をじっくり診て、
「骨折はしてませんね。脱臼もしてないし・・・。足も切ってません。
1度歩かせてみましょう」
と、床に下したら、スタスタ歩いて診察室の外へマグは歩いて行った。
「あ、あれ???」と私と母。
「痛くないフリをしてるんでしょう。病院が嫌いな子はたまにするんですよ」と先生。
マグは仮病を使ったのでした。痛いくせに、まったく・・・。
痛み止めの注射をして、安静にするように言われました。連れて帰って安静に寝てればいいのに、マグはチンバを引いてウロウロウロウロ。ワンコに安静という言葉はないのかもしれません。
しかし、薬が効いてきたようでしまいには目がトロ〜ンとしてきて眠っていました。
メル、ユメ、カナも安心したようで一緒に寝ていました。
「マグちゃん、大丈夫??」
「・・・・・」
「ひどい怪我じゃなくてよかったね〜」
ユメたちもホッとしたみたい。遊びたいだろうけど、我慢してね。
翌日、すっかり良くなったマグです。