私が出掛けるために家を出ると、近所の飼い猫のシロちゃんがいた。
「シロちゃーん」と声とかけると、シロちゃんは振り向いてこっちを見た。
シロちゃんはメル達のことを唯一かまってくれる猫さんなのです。
昔から猫大好きなマグの影響で、ユメカナも猫が大好き。メルもシロちゃんと出会うといつも鼻先をツンツンして挨拶をする。
普通の猫なら「シャァアァ!!」と怒って逃げてしまう。
その度に、マグとユメカナは「クーンッ」と切なそうな声を出すのだ。
しかし、シロちゃんはマグとユメカナが熱烈大好き攻撃をしても相手をしてくれる。
行き過ぎた場合は前足でやんわりとデコを押しやるだけで、爪を立てたりしないのだ。
今日はうるさい子たちを私が連れていないのに、ちょっとホッとしたのか???
シロちゃんはトコトコ歩いて行く。私は向かう方向が一緒だったので、シロちゃんの歩幅に合わせてついて行った。
すると、シロちゃんが「ニャアー」と鳴いた。ニャアニャアとあんまり鳴かないシロちゃんにしては珍しいなと思い、シロちゃんの見ている視線の方を見ると、シロちゃんの飼い主のおばあちゃんがいた。シロちゃんはおばあちゃんを迎えに行っていたのだ。
「シロちゃん、ただいま。どこ行ってたの?」
「ニャアー」
「さぁ、シロちゃん。お家に帰りましょう」
「ニャアー」
シロちゃんは飼い主のおばあちゃんを見上げて返事をしていた。
「おばあちゃん、おかえり〜」とシロちゃんが言っているみたいだった。
おばあちゃんと一緒にゆっくり歩いて帰っていくシロちゃんは嬉しそうで、ほのぼのした気分になりました。
メル達は私が帰ると、熱烈歓迎をしてくれる。「おかえりなさい」とお迎えに行くシロちゃん。どっちにしても帰るのが楽しみになりますよね